「違う,違うんだ。僕は最初っから,「役に立つもの」なんて必要としていなかった。そんなことは,高性能になった食器洗い機や掃除機が,全部やってくれているんだから。僕が,本当に欲していたものは…」。
ピッツバーグに本社を置くロボット製造会社プロボティックス社の家庭用ロボット「サイ」は,昨年12月から現在までに128台が売れている。サイは,あらかじめプログラムされた通りにカーペットに掃除機をかけたり,飲み物や郵便物のような軽いものを運んだりする。このロボットは695ドルで,プロボティックス社のウェブサイトで販売されている。
サイについて,カーネギー・メロン大学ロボット工学研究所のイーバクシュ助教授は,より大きく可能性を広げる将来のために,2つの目標をあげている。1つ目がサイの「人格」をもっとはっきりさせること。2つ目がサイに強いサービスの感覚を教え込むこと。2つ目はまぁ当然として,やっぱり,意志を持たせること,コミュニケーションを可能にすること,人間らしさを感じさせること,がロボットが果たしていかなくてはいけない役割として必要であるようだ。
私たちはロボットに何を求めているんだろうか? 勉強や家事や仕事などを助けてくれるものとも思うのだが,それはヒト型でなくてもいい(サイはまだ掃除機の先に車が付いたような感じだし…)。では,ドラえもん? 鉄腕アトム? それとも,あのメイドロボかな?(^_^) どれにしても,空想の世界のロボットは,意志と感情を持ち,人間と確かなコミュニケーションを持っているものだった。そうして私たちは,やっぱりそういう存在に憧れと期待を抱いていた。もしかしたら人間は,なにか仕事をしてくれることよりも,本能的にそういう存在を欲しているのかもしれない。ということで,AIBO対サイの勝負は今のところAIBOの勝ち,かな?
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